犬の咳

 鼻や口から肺の奥まで通じている空気の通り道のどこかで何らかの刺激があるとき咳がでます。
 その刺激は空気の通り道の内側にある分泌物、バクテリア、血液、異物などで、外側からの圧迫、例えば心臓が大きくなって肺を圧迫したり、肺にできものができたり水がたまっても咳はでます。また中には、気道(空気の通り道の内側)の炎症と心臓肥大による気道への圧迫が同時に起きていることがあります。
 気道内の炎症、分泌物、粘液、バクテリアが原因の時には抗生剤、抗炎症剤、去痰剤などが必要で、気道への圧迫が心肥大や肺の水では利尿薬が効果あることが多いです。
 また、犬の咳の原因で最も多いのは慢性気管支炎で、やっかいな事にレントゲン上異常をを示さないこともあり、抗炎症剤を投与して反応をみる「診断的治療」なるものもおこなわれています。
 補助療法として、ネブライザーやご自宅のお風呂で湯気を数分吸入(くれぐれも熱中症に気を付けてかかりつけの獣医に相談してからにしてください)や、首の冷却も効果があることあります。
 最近のトピックとして気管が細くなるため咳がでる「機関虚脱」の治療として近年、気管にステントを入れて拡張させる手術が試みられています。ただ今のところ、日が浅く長期での成績が分からないのと高価なのが難点です。ただ、これが安全でより実用化されれば咳で苦しむ犬は大幅に減る可能性はあります。